承認欲の行き着く先
これまでの記事で書いてきたように、僕にとって大きなテーマは「承認欲」だった。
家族としての承認はある。父として、夫として、生活の中で認められている。
けれど──「男としての承認」が欠けている。
その事実が、心のどこかをずっと空っぽにしていた。
「じゃあ、どうやって埋めればいいのか?」
僕は、具体的な“手段”を考えるようになった。
異性から承認を得るための選択肢
頭の中で浮かんだのは、いくつかの選択肢だった。
- 職場や趣味のつながり
自然な出会いがあればいいが、40代既婚、日々仕事と家庭に追われる中で現実的ではない。
それに、相手もあることだから、軽い気持ちで踏み出せる話ではない。
リスクが高すぎて、正直「次の一歩」にはなり得なかった。 - SNSでの交流(裏垢文化を含む)
最近は、SNS上で匿名アカウント、いわゆる「裏アカ(裏垢)」を使って出会いを求める人も多いらしい。確かに匿名性があり、気軽に始められそうだし、実際にそうやって繋がっている人もいるのだろう。
でも、僕にとっては正直ハードルが高かった。
普段からSNSで発信しているわけでもないし、アカウントを作って、その一歩を踏み出すのは、リアルな出会いに繋げることが、思った以上に大きな壁に感じられた。 - 合コンや街コンなどの場
若い頃ならともかく、今は時間的にも立場的にも難しい。
こちらも「既婚者」という立場を隠して動くことになる。
相手がいる以上、もし何かあればリスクは計り知れない。
リアルの場での出会いは、現実的に考えて「次の一歩」にはならなかった。 - 出会い系やマッチングアプリ
スマホひとつで始められるし、おそらく匿名での活動も可能そうだ。
既婚であっても、現実的に考えると最も近道に思えた。
それぞれの手段の特徴と壁
まとめてみると、次のような結論に至った。
- 現実の出会い:そもそも環境がないうえに、リスクが大きい
- SNS(裏垢):匿名性はあるが、SNSをあまり利用していない分、心理的ハードルが高い
- 合コンや街コン:時間や立場的にほぼ不可能、リスクも伴う
- 出会い系・マッチングアプリ:匿名性があり、現実的に挑戦可能
やはり出会いの接点をいきなりリアルの世界で求めるのは難しそうだ。
一方でSNSは普段発信などをしているわけでもなく、出会いにまで繋げるイメージが持てない。
承認欲を満たす「リアルな異性との接点」を考えると、やはり最後の選択肢がもっとも現実的に思えた。
葛藤と期待
もちろん葛藤はある。
「浮気をするために動くのか?」と自問自答もした。
でも違う。僕が求めているのは「遊び」ではなく、「男として認められる感覚」だ。
承認欲を満たすことが、自分を立て直すきっかけになるのではないか──。
そんな期待と不安が入り混じる中で、僕は少しずつ「異性と出会うための手段」に目を向けていった。
次回は、具体的に僕が考えた「出会いの手段」について掘り下げてみたい。
その中で、なぜ出会い系やマッチングアプリに心が動いたのかを書いてみようと思う。